こんにちは。

連日のコロナウイルスのニュースをものともせず、
相変わらず飲みに出ております、たけはるです。

お客さんが少ないため、よく飲みながらお店さんのお話を聞くのですが、
飲食店関係への打撃はすさまじいもので、廃業も考えている、みたいなこともあるほど。

でも、仕事をしていると、業界に関係なくいろんな所で影響が出ていますよね。

それに連日、SNSでいろんな情報が飛び交っていて、みんなが翻弄されている。
一部では、煽りに近いようなものもあって、
違う意味でコロナウイルスに侵されてしまっているような気がします。

今日は、そんな情勢だからこそ元気の出るようなものを!と思ったのですが、
逆に、穏やかじゃなさすぎて自分にグサッときた一冊です。

「悪い」ことへの誘惑。


今回ご紹介するのは、
宮部みゆき・作、吉田尚令・絵の『悪い本』です。

表紙のとおり、名前から穏やかじゃないです(笑)

作者はミステリー小説などでおなじみの宮部みゆきさん。
児童書では、映画にもなった『ブレイブストーリー』のようなSF小説もありますが、
実は絵本も出されています。

また、この本は「怪談えほん」という名前で展開されているシリーズ。
京極夏彦さんや皆川博子さん、加門七海さんといった、日本を代表するミステリー・怪談小説作家と、宇野亜喜良さんや町田尚子さんといった、独特の世界観を持ったイラストレーターさんの絵で絵本が出版されています。

一部では「怖すぎて子どもに読ませたくない」という声も上がるほど。
大人が読んでも恐ろしい本が揃っています。

この本の主人公は、この「悪い本」自身。
悪い本が、読者に問いかける形で始まります。

そして、だんだん「悪いこと」への悪魔のささやきがどんどん大きくなっていくのです。
一部を下記に抜粋してみましたのでご覧ください。

いちばん 悪くなったら
なんでも できるようになる

きらいな だれかを けすことも
きらいな なにかを こわすことも

じょうずに じょうずに

(中略)

あなたが わたしを わすれても
わたしは あなたを わすれない

何かどえらいものを読んでしまった…と思わされる文章。
しかも、絵もまた鳥肌が立つレベルで怖いんです。。

自分の弱い部分を突かれたような、ズーンとくる一冊です。

現代において、悪魔のささやきに打ち克つこと。


最近では、コロナウイルスに限らず、さまざまなニュースや情報で対象になった人やものが吊し上げにされている印象を受けます。

政治家や芸能人のスキャンダル、民族や人種への誹謗中傷、行き過ぎた意見やそれに賛同する様子…

ある人や物などの対象に対しての攻撃がしやすくなり、しかも、その波及がはやくて鎮火しにくくなっています。
そういった光景を見ていて思うのは、そういった吊し上げには中毒性があるんじゃないかなということ。

アルコールや麻薬に中毒性があるように、万引きも繰り返す人がいるという話があるように、その時の快感みたいなものを求めて抜け出せずにいる、なんてこともあるんじゃないかと。

これから5Gとか、あたらしいコンテンツでますます便利になっていくと思いますが、
常に、根底には「人を傷つけない」ものであってほしいなと願うばかりです。

そういう意味では、便利な世の中も、案外暮らすのは大変なのかも。
改めて「暮らしやすい」って何なんだろうなあ、と考えさせられるのでした。

写真は、最近買った砥部焼のうつわと、お気に入りのパン屋のひとつ・aoitoriさんのあんバターパン。

話とは関係ないのですが、どちらも、誘惑に勝てず、つい買ってしまったもの。
でも、ある1日のちょっとした時間を豊かにしてくれるという意味ではいいのかもしれないです。
浪費癖もなかなかの中毒性のあるものですけどね…

最後までお読みいただきありがとうございました。
次回もまた、お楽しみに。

 

 

(文/たけはる/某雑誌編集者)