遅くなりましたが、
新年あけましておめでとうございます。たけはるです。

気が付けば、この連載を始めて半年が経ちました。
本は相変わらず「積ん読」状態で、
もう少し広いところに引っ越そうかと考えているほど。
こんな私ですが、今年もゆるゆる続けられればと思っております。
どうぞよろしくお願いいたします。

今日ご紹介するのは、
1年の始まりなのに、人の失敗談ばかり集めるという
あまり縁起の良くない感じがする一冊なのですが、
学びもたくさんあって意外と深い内容だったのでご紹介します。

 

有名な偉人の意外な過去。

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今回ご紹介するのは、大野正人・作の
『失敗図鑑 -すごい人ほどダメだった!-』です。

偉人の本というと、
伝記みたいなのが漫画になっていたりして
「苦労したけど、こんなすごいことをやってのけたんだよ!」という
功績が前面に出ているのが一般的。
私もよく、ヘレン・ケラーとかナイチンゲールとか
坂本龍馬とか、いろんな伝記を読んでいました。

ただ、こちらは、日本や世界で著名な偉人たちの
知られざる「失敗談」の数々が掲載されています。

例えば、アメリカの偉人・ライト兄弟。
初めて人が空中飛行できる乗り物を作ったと、
今でもその功績が称えられていますが、
ただ、彼らにもある失敗があった…

それは、似たような乗り物を作った人に
「それはバッタもんだ!」と裁判をふっかけて
肝心の、飛行機の研究が進まなくなったという、
「過去にとらわれすぎた」という失敗でした。

ライト兄弟の乗り物も、最長で1分弱というわずかなものでしたが、
その飛行に気を取られているうちに、
それを上回る飛行装置がどんどん出てきて
あっという間に時代遅れになってしまったんだそうです。

ここまで読むと「へえ~、そうなんや」で終わってしまうのですが
この本の読むべきところはこの後にあります。

彼らの失敗からの教訓は、
成功とは「守るもの」ではなく、次の成功のために「使うもの」
だということ。
一つの成功から次の成功を作るには、
分け与えられるものは分け与えることで、
大きな成功となって自分に返ってくる、ということでした。

成し遂げたことが大きいだけに、その教訓もすごく深い。
ビジネス書よりよっぽどためになるんじゃないかというくらいでした。
こんな感じで、全部で24人の失敗と教訓が並んでいます。

また、帯には「10歳から読める 新しい心の教科書」とあり、
それにもまた惹かれてしまう、素敵な一冊でした。

 

「クリエイティブ」から「ユーモア」へ。

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今回紹介した本もそうなのですが、
正月休みに本屋の児童書コーナーに行くと、
270万部のベストセラーとなった『残念ないきもの事典』や
今年のグッドデザイン賞に選ばれた『一人称童話』シリーズ、
ヨシタケシンスケさんの『ふまんがあります』『りゆうがあります』など、
みんながよく知っているものを
新しい視点で、かつクスッと笑ってしまう要素を入れて
書かれている本・絵本が多い印象を受けました。

こんなにもいろんなもので溢れかえっていて、
新しいものを生み出すのが難しくなっている現在。
でも、今あるものでも見方を変えれば
「そんな見方があったか」という驚きと新鮮さは
まだまだあるんだということを、ひしひしと感じました。

それは「クリエイティブ」というより「ユーモア」。
ゼロからイチを生み出す、画期的なものでなくても
十分おもしろくてワクワクするようなものはできるんです。

写真のおみくじは
よく行く古本屋・浮雲書店で引いた「おみくじせんべい」。
フォーチュンクッキー型のせんべいの中におみくじが入っていて
食べると何なのかが分かるというもので、
「大吉」だったものの、書いている内容は大吉とは思えない内容…
でも、わざわざ神社に行かなくても十分盛り上がりました。
これも一つの「ユーモア」なのかも。

 

あ、でも初詣で引いた
本物のおみくじも「大吉」だったので
きっといいことがある1年になると信じています!(笑)

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。
次回もお楽しみに。

〇 失敗図鑑 -すごい人ほどダメだった!-(著/大野正人)
https://www.amazon.co.jp/dp/4866510595/ref=cm_sw_r_cp_awdb_c_yVYpCb1E9X06Q

 

(文/たけはる/某雑誌編集者)

この連載の過去記事はこちらから

『大人の児童書目録』