【※ネタバレなし】

異世界に急に飛ばされる物語は今も昔も変わらず人気があるものですよね。

使い古された設定のようでいて、いまだにたくさんの異世界ものの作品があります。

最近では、小説投稿サイトなどで異世界転生などをモチーフにした作品が乱立しすぎていることもあって、「また異世界か」といった風に揶揄されてしまうことも多いみたいですが(笑)

ただ!
自分の知らない世界、未知の世界を知りたい!行ってみたい!と考えたことがある人が一定数いらっしゃるのも事実だと思います。

そんな風に興味はあるけれども、剣や魔法といったファンタジーな感じは、ちょっとお腹いっぱい…という方に、ぜひこの漫画をおすすめしたい!

今回紹介するマンガは、そんなちょっと変わった異世界もの、「百万畳ラビリンス」です。

〇 百万畳ラビリンス
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この漫画は上下巻完結で、2016年漫画大賞にもノミネートされた作品です。

先ほど述べたように、異世界ものといえば、剣や魔法が闊歩するファンタジーな世界に飛ばされる、もしくはそのような世界が舞台になるものが多いと思います。

ところがどっこい、この漫画における異世界は一味違っていて、日常にあるものばかりで構成される、主人公たち以外は誰もいない世界なんです。

ゲーム会社クラインソフトでデバッカー(※ゲームをプレイしてバグを探す職業)として働くゲーム狂いでコミュ障の主人公・礼香と同僚・庸子は、突然この不思議な世界に迷い込みました。

そこは、木造アパートの中で、無限にループする階段があったり、ちゃぶ台の上に湯呑みをおくと同じ種類のちゃぶ台には同じ湯呑みがコピーされて出現するなど、とても変わった異世界。

迷路のようになっており、礼香たちはこの不思議な世界から脱出しようとする過程で、この世界の謎を解き明かしていくというのがストーリーの本筋です。

「ゲーム」というのが、作中大きなキーワードになっており、一つずつ検証を重ねて、世界の謎を解き明かしていく様は、ゲームをクリアしていく感覚に似ています。

また、この世界には主人公たちに危害を加えようとする、気持ち悪い怪物のようなものも現れます。
しかし、礼香はゲーム狂いの奇抜な発想の持ち主で、前述のちゃぶ台を使って、そんな怪物たちを退治したりもします(笑)

ちなみに、この怪物に襲われるシーン含め、本来であれば結構シリアスに感じられるようなシーンもあるのですが、絵柄のせいか、はたまた礼香の飄々とした性格のせいか、あまり緊張感がなく、淡々と読めるので、怖いのが苦手な方でも問題なく読めるかと思います。

内容のほかにも、ぼくがこの漫画の魅力の一つだと思うのは上下巻しかないにも関わらず、しっかりまとまっていて読み応えがあることです。
サッと手にとってサッと読み終えることができる、そんな漫画になっているように思います。

長編漫画は苦手という方や、たまの休みに漫画でも読むかなってなった方はぜひ。

 

(文/北岡たけし/「生活に1冊でも多くの漫画を」を座右の銘とする漫画ライター。本人が面白いと思った本だけ紹介する)