雑文―軽い気持で書き流した文章。

 

こんにちは。

三松文庫あかまつです。

突然ですが、数多くの本が出版されているこの世の中で、読んでいて一番かっこいい小説家って誰わかりますか?

そうです。村上春樹です。(赤松的偏見大いに含む)

例えば女の子に「何を読んでるの?」って聞かれた時、

ニヒルな顔で「ちょっと村上春樹作品をね…」と答えるだけで
不思議と知的な感じがしませんか?

「あら、ミステリアスさが素敵」と恋に落ちたりしませんか?

あくまでニヒルな表情で答えるのが肝心です。

ウィスキーを飲んで一拍置いて答えたらそれは完璧ですね。

村上春樹作品はいくつか知っているし、新刊が出るたびに日本は大騒ぎになるけれど、
いまいち全容を把握しきれていない「村上春樹」という人間について、知るために今回はこの本を読んでみました。

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エッセイが中心なので村上春樹の人となりを感じることができ、
読むたびに新たな一面を知れるので読んでいてとても楽しかったです。

 

主にジャズや村上春樹の周囲の人、自分の小説について語っているのですが、
村上春樹は物事との距離感の置き方と語り方がすごく上手だなと感じました。

物事について一人称視点で語っているにも関わらず第三者的視点で俯瞰している。

その距離感がとっても心地よいのです。

 

その結果、

自分も幽体離脱をして村上春樹の体験を追体験して、あたかもその場所その時代にいるかのように、情景がリアルに想像できます。

僕が村上春樹と同じ年齢になったとき、
今の時代を語ろうとしてもこんなふうに物事の良さを引き出せるだろうか、と悔しくなります。
それぐらい物事との距離感の置き方と語り方が美しいです。

 

とても有名な文ですが、僕が雑文集を読んで一番心に残った文はこれです。

「高くて硬い壁と、壁にぶつかって割れてしまう卵があるときには、私は常に卵の側に立つ」

これはエルサレム賞受賞の際のスピーチの一文です。

「高くて硬い壁=社会のシステム(どうしようもならないもの)」

「卵=私たち個人(薄くて壊れやすいもの)」を表現しています。

そのうえで「私は常に卵の側に立つ」と。

この一文にも村上春樹の物事との距離感の置き方と語り方の美しさが詰まっています。

純粋にかっこいいですし、自分もそうありたいものだと心の底から思いました。

 

まだまだ村上春樹をつかみきれてはいませんが(そもそも一人の人をつかみきるということは無理なのかもしれない)気高く、ストイックで、でもどこかに隙間を作っていて、実は人見知りで、それでいてチャーミングな「村上春樹」という人が好きになりました。

ぜひ、村上春樹へのとっかかりにしてみてください。

それでは!

 

(文/あかまつのりき/三松文庫店主)